車を運転しながらミラーを覗くと、こめかみに白髪が増えている。
父も母も見事な白髪なので、自分の将来の外見を想像することは容易なこと。
年をとるって、こういうことなんだなぁーっていうことが、ひとつひとつ増えていく。
先日のこと。
父と母と私で朝食を食べていた時、母が話を始めた。
母の顔を見ると、母の視線は私のこめかみを凝視している。
何を話していたんだか本人もわからなくなるくらい、私のこめかみを見つめている。
『なに?』
何かついてるの?という疑問とともに、なんなのよっ!という苛立ちが一瞬にして沸き起こってきた。
『お父さん、この子ったら、一丁前に、白髪が生えてるわよっ!(笑)』
なんて、腹立たしい!
なのに、可笑しい。
誰だって、歳をとっているという自覚なんて無いと思う。
毎日鏡の中の自分を見ていたって、1年前の自分と今日の自分の違いに気づけるわけがない。
ふんっ、なにさっ(笑)
母の物言いに、いつも気分が悪くなるけれど、母の心情もまた複雑なのかもしれない。
部屋を片付けていたら、娘が保育園に通っていた頃の連絡帳を見つけてしまった。
私だけを信頼して、私だけを大好きだと言った、あの頃の娘を愛おしく思う。
いつだって、記憶の中の私と娘は、永遠に歳をとらないわけだから。
母も私との蜜月の時を思い出しているのだろう。
だから、余計に、目の前にいる私を認めたくないのかもしれない(笑)
そんな想像をすると、意地の悪いことを言われながらも、限られた時間を大切にしたいと思えるようになってきた。
『お父さんが、昔の写真を持ち出してきて、これ、覚えてるか?って聞くのよ。
私が覚えてないわけないじゃないっ!!』
覚えてないわけないのよねっ。
ありがとう。